養育費の請求をしないと約束した場合

養育費の請求をしないと約束した場合

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妻が離婚したい一心で、「離婚さえしてくれれば、今後一切、養育費の請求はしません」と夫に約束してしまうことがよくあります。
法律上、子が親から扶養を受ける権利は放棄できないとされています。父母の約束は2人の間では効力があるものの、子は父母間の約束に縛られるわけではないからです。
離婚の際に養育費の請求をしないと約束していた場合でも、その後の経済状況により養育費が十分ではなくなった場合には、養育費の請求ができますが、無条件に認められるわけではありません。将来的にかかるであろう養育費については請求することは可能ですが、過去の養育費の分担を請求することは難しいでしょう。
宇都宮家庭裁判所の審判で

「離婚時の合意を最優先とする。ただし、その合意の内容が著しく子どもに不利益をもたらすものであったり、離婚後に事情が変わって、その合意の内容を維持することができなくなった場合には、子どもからの請求も認める」(昭和50.8.29)

という条件を示し、その後の審判例の流れを方向づけました。
離婚の際に養育費として相当額のお金を受け取ることを条件に、養育費を請求しないと約束した場合には、子の福祉にとって好ましくない状態が生じている場合に限って請求を認める、請求を認める場合でも額を決めるにあたって養育費を請求しない約束の趣旨が考慮されて決められることになります。

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